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川口の日(11月10日)に地場産業「鋳物」を学ぶ

2024年11月

川口駅前広場の写真
エフくん

突然だけど、今月10日は何の日か知ってる?

ミー博士

11月10日と言えば…『川口の日』じゃな?

川口の日とは

2000年にミレニアム事業の一環として当時の川口市長により制定された。
『市民と行政が一体となり共に川口市に想いを寄せ見つめ直す日』という意味が込められている。
11月10日の理由:数字が川口に見える事から。
「11月10日 → 1110 → 111 0 → 川口」

エフくん

その通り!
埼玉県川口市と言えば僕たちの会社の所在地であり、およそ60年前には映画「キューポラのある街」の舞台になったように"鋳物の街"として広く知られているね。
そんな鋳物はマンホールの材料でもあり水との関わりも深いんだよね。
そもそも、いったいなぜ川口市は鋳物産業が盛んだったのかな?
川口の日をきっかけに色々調べてみたよ!

川口市のマンホールに刻印された「鋳物のまち」の写真
エフくん

話は遡ること江戸時代。
当時、江戸では鍋や仏具の需要があったんだ。
そんな中、
・江戸と近い立地で流通の便が良かった事
・鋳物製造に適した砂や粘土が川岸から採れた事
という要因を川口市が満たしていた為、市内で鋳物産業が急成長したんだ。
その結果、技術者も増え製造技術が蓄積されていったようだよ。

川口市で鋳物産業が栄えた理由

・江戸時代に江戸で鋳物製品の需要があった
・川口市(当時の川口町)は江戸と近い位置にあった
・鋳物製造に必要な資源に恵まれていた
・他、市内の労働力にも恵まれていた為。

シーちゃん

なるほど!当時の需要と川口市の立地や土地の特徴が関係していたんだね。
私たちの仕事にも関わりの深い鋳物のマンホールが設置され始めたのはいつ頃なのかな?

エフくん

川口市の下水の歴史を振り返ると、1940年には下水道整備に着工しているよ。これは全国的に見ても早かったみたい。
でも当時は戦時中…なかなか計画は進まず、終戦後の1950~1960年代に本格的に下水整備が進んだんだって。
つまりその頃から鋳物のマンホールや蓋はあったと言えるね。

川口市の道路に設置されているマンホール蓋、消火栓蓋、防火貯水槽蓋、グレーチングの写真
エフくん

調べたところ、マンホール以外にも水道管やその継手、護岸施設や公園の噴水等も鋳物で作られた物が多く、『鋳物は幅広く水を支えてきた』という事がわかったよ。

水と関係する鋳物設備

マンホール蓋、グレーチング、水道管、水道管の継手、量水器ボックス、止水ゲート、護岸工法、噴水 など

シーちゃん

あんまり意識していなかったけど、鋳物と水の関係は深いんだね!
鋳物と言えば1964年の東京オリンピックで使われた聖火台は川口市の鋳物師によって作られた、というのも川口市では有名な話だよね。

エフくん

そうだね!
実は川口市のマンホールにも職人の高い技術が織り込まれているよ。
通常マンホールは平らな面に一定の深さの溝を刻み込んで仕上げるのだけど、川口市は表面にゆるやかな曲線を使い高さに変化を持たせる事で立体感を表現しているんだ。
この立体感によって、明治時代に川口市の特産品だった竹ざるを表現しているよ。

川口市のマンホールの写真
エフくん

そんな川口市の鋳物産業も、他の材料の台頭や後継者不足等により衰退してしまったんだ。
現在では多くの鋳物工場が閉鎖や移転し、跡地にマンションや店舗が建っているよ。

エフくん

それでも川口市が鋳物産業に特別な思いを持っている事がわかるように、駅前広場にはキューポラ像が!!

川口駅前広場にあるキューポラ像の写真

キューポラとは

鋳物製造で使われる、地金を溶かすのに用いる円筒形の直立炉。
溶かされた鉄は1500℃にも達する。
かつて川口市では屋根にキューポラがある鋳物工場が多く存在した。

川口駅前広場にあるキューポラの説明看板の写真
エフくん

像まで置いてあると鋳物産業が過去の物と思われるかもしれないけど、工場の数が減っただけで今も川口の鋳物産業は続いているよ。
例えば川口市にある伊藤鉄工(株)ではマンホールはもちろん、フライパンや鍋であったりトイレ(小便器)も作る等、鋳物の可能性を広げる事で私たちの身近な水回り設備でも活躍している!

川口市内で撮影した鋳物製の小便器の写真
ミー博士

鋳物という言葉から受ける重厚感があまり感じない柔らかいデザインじゃな。

エフくん

かわいらしいデザインだよね。
でも鋳物製だけあって強度は高くて、出た当時は「最強の小便器」と話題になっていたよ。
公衆トイレを維持管理する上で課題の一つに『破壊行為』があるんだけど、その課題を解決する救世主として活躍中!

エフくん

このように鋳物自体が現役で活躍中だし、川口市の人気スポット"イイナパーク川口"では「鋳鉄ドッ君」という黒一色のアメリカンドッグが販売されていたし、『川口市=鋳物』という認知はこれからも続きそうだなという印象を受けた!

イイナパーク川口で販売されている鋳鉄ドッ君のポスター写真
シーちゃん

何て言ったって川口市はマスコットがキューポラをモチーフにした「きゅぽらん」だしね。

エフくん

そうだね!
さて、今回は川口の日をきっかけに川口市の地場産業「鋳物」を調べてみました。
その結果、水と関わりの深いものである事がわかりました。
すっかり鋳物に愛着が湧いたので、明日から仕事でマンホールを開ける時の気持ちにも変化がありそう!
そんな"鋳物の街"川口市を拠点に給排水設備に携わる企業として、今後益々精進していきたいと思います!

>>企業キャラクター紹介

>>参考:埼玉県川口市 鋳物工場の分布状況にみる歴史的変遷と技術革新