2007年2月26日
昨年の記録的な大雪から一転、今年は観測史上まれに見る暖冬になっています。
豪雪地帯では例年の半分しか雪が積もらず、雪かきをしないですんでいるというニュースも伝えられています。東京でもすごしやすい日が続いているので、「暖冬も悪くないかも」そんなふうに思う人も少なくないかもしれませんね。
でも、降るべき地域に雪が降らないと、深刻な問題が起きることも……。
<豪雪地帯=米どころ> 豪雪地帯と呼ばれる地域の多くは、じつは米どころでもあるのです。
それは、米作りには多量の水が必要で、その水には雪解け水が使われてきたからです。
そうした米どころに雪が降らないということは、
水不足→米の生育不良→米の不作
という問題につながりかねません。
<家庭でできる水の節約>
米どころに雪が降ってもらうには、祈ることしかできません。
でも、家庭で米を炊くときに、水を節約することはできます。それが、「無洗米」です。
無洗米はBG(Bran Grind)精米法と言って、今までは研がないと取れなかった肌ヌカ(米が黄色くなったり、臭くなったりする原因)を、別の肌ヌカに粘着させて取り去ってしまいます。
*クルマに貼ったステッカーを剥がした時に、糊が残ることがあります。その糊を取り去るのに、同じ粘着力を持ったガムテープを使うとキレイに剥がせます。そういう方法を応用しています。
<環境にやさしい無洗米>
無洗米を使うことは、水の節約ができるだけでなく、汚染物質を出さないというメリットもあります。米の研ぎ汁は生活排水として流されていますが、これがヘドロとなって川に堆積したり、海に流入して赤潮やアオコの発生原因になることもあるのです。
米の研ぎ汁は肌ヌカの溶けだしたものですが、この肌ヌカには脂肪、タンパク質、糖質、リン、窒素が含まれています。これらの物質は分解されにくく、肌ヌカは約30万トン、リンは約6500トン、窒素は約9000トンという莫大な量が1年間で排出されています。しかし、無洗米の精米工場では、これらの物質を加工して良質の肥料として いるので、排水することもありません。
無洗米の精米技術は進化して、家庭で研ぐより栄養成分も高く、美味しく炊けるようになってきています。水も節約でき、生活排水を流すこともありません。
「無洗米はマズイ」「無洗米は手抜き」というのは過去のものになってきています。
暖冬の今こそ、無洗米を食べてみるいい機会かもしれませんね。