2007年5月24日
ご飯を食べようとお店に入ると、何もいわずに水が出てきたり、公園や駅には公共の水飲み場があったりと、私たち日本人にとって、「水はタダ」と感じる場面は多いといえるでしょう。
実際は料理の代金に含まれていたり、税金でまかなっていたりするのですが、日常的に水に困ることはないというのが、現在の日本ではないでしょうか?
「生活の中心にある水」
ところが、世界に目を向けてみると、慢性的な水不足に悩まされている地域が少なくありません。
その代表的な地域が中東です。
中東では長い間紛争が続いていますが、 それはある「高原」が舞台となっています。
じつはその高原は、年間降雨量が200mm前後といわれる中東には珍しい、 水が豊富で自然の豊かな土地なのです。
人類は太古の昔から水のある場所を求め、そこで集落を作り、その集落が国へと発展していきました。
水はつねに生活の中心にあり、そして、その水が不足すると食糧不足や環境の悪化を招き、 集落間の紛争や国家間の戦争を生じてきた、ともいわれています。
紛争の背景には水の確保という問題があるともいえるのです。
「水をめぐる情勢」
2002年に国連が発表した水資源に関する報告書によると、「2025年には世界の人口のほぼ半分にあたる35億人が水不足に直面する」とあります。
地球規模の自然破壊や温暖化が進んでいる現代は、 水不足、食料危機、砂漠化といった深刻な問題が続出しています。
そんな環境下では、水の確保をめぐって大規模な紛争が起こるのも必然といえるでしょう。
現在、日本は水の豊かな国ですが、それが今後も続く保証はありません。
水を無駄に使わない。できるだけ汚さないように使う。
そうした毎日の生活で私たちができることをやっていくのは、
限りある水資源を有効に使っていくためには欠かせないことです。
また、地球全体が危機的状況になっている今、限られた水資源を有効に使うことは、もはや日本一国だけの問題ではありません。
水が戦争の一因になっている以上、水を有効利用することが戦争を回避する重要なカギになるからです。