こんにちは!
今月は久しぶりに水に係る場所を紹介するよ!
千葉市の都川水の里公園に行った時におもしろい水の設備を見つけたんだ!
「自噴井 太郎」(じふんせい たろう)って言うんだけど知ってる?
【名称】自噴井 太郎(都川水の里公園)
【住所】千葉県千葉市若葉区大宮町258-1
【開園】平成21年に整備し、平成22年に一部開園
【最寄駅】蘇我駅よりバス
【駐車場】あり(無料)
水が湧いているのが自噴井太郎?
なんだか人の名前みたいだね。
「自噴井」はポンプで汲み上げる井戸水と違って、自然の力だけで湧き出てくる井戸水の事だよね?
そうだね。自噴井戸とも言うみたい。
えっ?どうしてポンプを使わなくても湧き上がってくるの?
自噴井の水源は地下の帯水層なんだけど、
簡単に言うと帯水層が上層にある地盤の重み等で圧力を受ける事で、行き場をなくした水が配管を通って地表に上がってくるんじゃ。
なるほどね。
湧き出る水と言うと湧水を思い浮かべるけど、それとは違うの?
湧水に決まった定義があるわけではないけど、人が手を加えなくても隙間から自然と湧き出てくるのが一般的な湧水で、人が配管を通すことで初めて地表に湧き出てくるのが自噴井っていう違いかな。
広義ではどちらも湧水と言えるけどね。
なるほど。自噴井の仕組みはわかったけど、太郎っていう名前はいったいなぜ?
公園を管理している若葉公園緑地事務所様に聞いてみたんだけど、それは不明なんだって。
つまり公式に「太郎」と名付けられた記録はないみたい。
ただし『千葉市の水分環境』という書籍の中で、著者の斎藤正一郎さんによる「埋められたら困るという理由で太郎という人名を付けた」、「それを人に話し続けた」という旨の文章を見つけることができたよ。
それがいつ頃の話なのかまではわからなかったけど、もしかしたらそれが発端なのかもしれない。
他に太郎と名付ける理由なんて思いつかないし、有力説かもね。
現地の説明看板によると、この自噴井太郎の湧出量は日量170~240トンもあるんだ。
埋められたら困る、と思うのも理解できるね。
結構な量だね。
この井戸水は何かに活用しているの?
実はこの公園には田んぼがあるんだ。
その田んぼを使って千葉市民向けに稲作体験講座が開かれていて、自噴井の水はそのお米を育てるのに使われているよ。
なるほど。飲用としては利用できないから農業用水として使われているんだね。
自然の恵みを使って自然を学べるなんて、素晴らしい活用方法じゃな。
そうだね。
この公園は整備工事が行われて、僕が行った時は太郎の説明看板の文字が劣化で消えかかっていたけど今はリニューアルされて綺麗になっているとの事。
さて、今回は千葉市若葉区にある自噴井太郎の由来や仕組み、活用方法等を紹介しました。
興味がある方はぜひ足を運んでみてください。
それでは!